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【半導体】TSMC、CoPoSサプライチェーンに「かん口令」と「独占供給」要求 設備発注は2029年 調査会社
2026-05-12 12:03:36
調査会社DIGITIMES Researchは2026年5月8日、ファウンドリ最大手台湾TSMC(台積電)の先進封止(パッケージ)分野に対する取り組みと戦略についての最新レポートを公開。「CoWoS」(Chip on Wafer on Substrate)とパネルレベルのファンアウト型パッケージ「FOPLP」(Fan-Out Panel Level Packaging)を統合した「CoPoS」(Chip-on-Panel-on-Substrate、いわゆる<CoWoSパネル化>)の開発を加速すると同時に、関連サプライチェーンに対する統制を強めているとの情報が、台湾の半導体業界とサプライチェーンに広がっていると伝えた。同社が育成する複数の台湾系製造装置・材料メーカーに対してかん口令を敷き、技術情報の外部流出を防ぐため、厳格な秘密保持・共同開発契約の締結を要求しているという。


レポートでDIGITIMESは、AI(人工知能)需要の急拡大を背景に、先進封止技術を巡る競争が激化する中、TSMCがCoPoSの取り組みを加速することで、より高いハードルと新たな「経済的濠(参入障壁)」を築くことを狙っていると指摘。これにより米インテル(Intel)や韓国サムスン電子(Samsung Electronics)の猛追や、OSAT(半導体封止・測定受託)業者による技術の進展を阻むことができるか否かが、半導体競争の今後の行方を左右することになるとした。

DIGITIMESの伝えた台湾系の半導体製造装置サプライチェーンは、CoPoSが「円から四角へ」すなわち「ウェハーからパネルへ」という世代交代を伴うものだと指摘。その上で、この世代交代を進めるにあたり、TSMCが最近、サプライチェーンに対して異例とも言える強力な管理体制を敷いていると述べた。理由として、CoPoSサプライチェーンに名を連ねる企業の多くが、既存のCoWoSサプライチェーンと重なっており、これら企業が台湾ASE(日月光)傘下の台湾SPIL(硅品)や米アムコア(Amkor)、ひいては中国系OSATからも受注していることを警戒しているためだとした。

DIGITIMESの伝えた関係筋は、TSMCがCoPoSのサプライチェーンや、同社が育成する複数の台湾系装置・材料メーカーに対してかん口令を敷いていると指摘。研究・開発(R&D)技術の流出を防ぐための取り決めを結び、量産開始から数年間は「TSMCへの独占供給」のみを認める方針を打ち出していると述べた。

DIGITIMESの伝えたサプライチェーンは、CoPoSのサプライチェーンリストに名を連ねる企業の中で、TSMCが特に動向を注視している企業として、台湾AblePrint(印能)と台湾AMC(山太士)を挙げた。うち、AMCの「Balance Film」は、CoPoSやCoWoS等の先進封止技術における「反り」という課題を解決し、歩留まりを向上させることができるものだとした他、両社とも既にTSMCの内部テストと技術検証プロセスを完了、今後は、TSMCの生産能力構築の計画に従って量産規模を拡大していくものと見られているが、両社にはインテルやOSATも協力を打診していると指摘。このため、TSMCの「独占供給協定」をAblePrintとAMCが受け入れるかどうかに、市場や業界が注目していると語った。

DIGITIMESの伝えた複数のサプライチェーンは、TSMC初のCoPoS試作ライン(mini line)が既に台湾子会社VisEra(采鈺)の龍潭工場に設置され、一部装置の搬入が最近始まったと指摘。その後、パイロットラインは台湾嘉義のTSMC AP7工場へ移され、2027年第3四半期(7〜9月)にパイロット装置の発注が行われる予定だが、その後も長期間の検証と調整が必要になるため、本格的な量産用装置の発注が確定するのは、2029年以降、生産規模が拡大するのは2030年ごろになるとの見方を示した。また、台湾以外では、米アリゾナ州で進める2つの先進封止工場のうちアリゾナP2工場は暫定的にCoPoS用を想定しているとした。

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